明日葉豆知識

明日葉とは

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明日葉は、セリ科シシウド属の植物です。日本を原産として房総半島から紀伊半島、そして伊豆諸島に自生しています。

伊豆諸島・伊豆半島・三浦半島および房総半島の以上の地域の明日葉は古くから自生していますが、紀伊半島の明日葉は、近年になって紀伊大島に移植された株です。

明日葉

明日葉は、草の丈1メートル前後にも育つ多年草ですが、2~3年で黄色の傘形花序をつけます。

この新芽、葉には特に強壮、強精の効能があると言われています。

傘形花序をつけた後、扁平な楕円形の果実をつけますが、開花結実すると枯れてしまいます。冬にも緑色を保ちますが、寒さにやや弱いです。

明日葉は、別名を八丈草(ハチジョウソウ)とも明日草(あしたぐさ)とも呼ばれて、人々の食材としても薬草としても大事に使われてきました。

葉と茎を食用にする明日葉は、味に独特のクセがあるため、天ぷらやバター炒めなど、多少クセを殺す調理法でもいいですし、簡単にアク抜きをして、お浸しやマヨネーズ和えなどにしても美味しく食べられます。

特に伊豆大島では、アシタバを椿油で揚げた天ぷらが地元の名物料理として有名になっています。

明日葉の特徴的な成分としては、キサントアンゲロールと呼ばれるカルコン類やクマリン類を含み、これらが抗菌作用の働きをしてくれます。

その他、昔から薬草として使われてきた明日葉は、便秘防止や利尿に効果がある他、強壮作用があることが医学的にも証明されとされています。

健康志向が高まっている今、健康食品としてさらに人気が高まっている明日葉です。

明日葉は島によって「姿形」が違う

さて、同じ明日葉でも島によって形態が違っています。

伊豆七島を訪れたことのある人ならわかるでしょうが、八丈島の明日葉は背丈が2メートルほどにもなります。

もちろん葉っぱも立派です。

全体的に青っぽく、根から数本茎がすっくと立ち上がっています。

見た目にもかなり食べ応えがありそうで、フキやウドといった感じすらします。

落葉樹の林の中でよく育ちます。

ところが伊豆大島では様相が一変します。

高さは伸びてせいぜい70~80センチといったところでしょうか。

もっと小振りのものも多くあります。

色は多少赤っぽい感じで、根から何本かの茎が立ち上がっています。

こちらは、ハンの本の下で日陰や、あるいは島の石垣の間から、というパターンを見かけます。

島の人にいわせると「ここの明日葉が一番うまい」ということになるのですが、食べる季節と食べる場所(新芽がうまい)を間違えなければ、それぞれにおいしいと思います。

明日葉は、かつては島の「雑草」だった

明日葉がそれほど有名でなかった時代、今から十数年前。

伊豆七島にはいたるところ明日葉だらけでした。

石垣からニョキ、畑の横にニョキ、家の裏にもニョキ、といった具合で島では雑草よりもポピュラーな存在でした。

ちょっと山に入るとそこには明日葉の群生が見られました。

別段、畑で栽培する必要もありませんでしたし、需要もありませんでした。

当時、明日葉が紹介されてぃたのは主に土産売場の明日葉茶。

島の特産品の主役の座は椿の種の加工品、ついで貝殻の装飾品と続き、そうした品物などの片隅に、明日葉は慎ましやかに並んでいました。

また、島の旅館で出される料理にはもちろん明日葉がっきましたが、取り立てて「これが特産の明日葉です」との説明はなかったようです。

サシミやトコブシといった魚介類の下葉としても使われました(殺菌作用があるので理にかなっています)。

あるいは、おひたしや天ぷらとして、そっと添えてあったという感じです。

たずねると初めて「チンダチ草ともいうんですよ」と答えてくれました。

明日葉は本当に島の人にとっては身近すぎるほど身近な存在だったのです。

新芽の明日葉がおいしいのには理由がある

明日葉のおいしい時期は、新芽時期の3月から初夏にかけてです。

夏は新芽が出にくくなり、硬い明日葉しかありませんので、地元では「夏の明日葉は牛も食べない」などといわれます。

さて、新芽の時期の明日葉は、茎も葉も柔らかくてとてもおいしいのですが、成分的にもきわだった数値が示されています。

これは八丈島産の明日葉での研究ですが、黄色い汁の正体であり、明日葉成分のカルコン類の合有量が、春先の新芽の時期に増加していることがわかったのです。

ピークは三年目の抽苔期(蓄の出る前)。

1年目のものより、2年目が多く、3年目のこの時期に最大(数倍)になることがわかったのです。

季節的には5月~7月にかけて、との数字が示されました。

そして、含まれる場所ですが、根、茎、葉の順でした。

確かに経験的にも、根っこにはあのドロつとした明日葉成分がたくさん含まれています。

明日葉の焼酎漬は、根っこに限るといわれます。

というのも、漬けると数日の内に、黄色(黄土色)になるからです。

二日酔いからラーメンのおかずまで、明日葉

明日葉はさまざまな形で利用されていますが、ここはやはりキャリアという点で伊豆七島での明日葉の利用の仕方が、もっとも自然で理想的ではないかと思います。

八丈島にしろ大島にしろ「流人の島」といわれていますが、時の権力者に反抗したり、あるいは権力争いに敗れた人物が主に流刑された島ですので、文化的には決して本土に劣るものではありませんでした。

ただ、限られた土地での生活ですので、ひとたび飢饉が襲うと逃げ場がありませんでした。

そうした中で、明日葉は何度も島の人たちの飢饉を救いました。

また、日常の生活でも明日葉は欠かせない食料の一つでした。

実際には料理方法が進んでいなかった当時では、明日葉は「苦い植物」として認知されていたようで、好んで食べられたという記録は残っていません。

近年、調理方法が進み明日葉はおいしく、個性ある食べ物として認知されてきました。

どの島でも不思議なことにある程度明日葉の身近な利用方法は決まっていて、男性ならば二日酔い醒まし、ラーメンの具、といったところがポピュラーです。

今ではどうか定かではありませんが、少し前まで女性は産前産後にオッパイの出がよくなるようにと食していました。

明日葉を上手に料理する方法とコツ

天ぷらにおひたし、ゴマ和え、お吸い物と、明日葉料理はバラエティーに富んでいます。

とはいってもまだ料理ブックに掲載されるほどメジャーな食品にはなっていません。

何しろ栽培される量が限られていますし、生葉を販売しているお店も限られています。

今後、東南アジアなどで大量に、1年中生産されるようになればまた話しは別でしょうが、今のところはやっぱり「ちょっと変わった料理」ということになりそうですね。

さて、料理のコツですが、根を食べる人はまずいないでしょうが、これは細かく刻んでゴボウの様に食べます。

でも、美味しくないです。

焼酎に漬けるのが1番だと思います。

次ぎに茎の部分。

実はこれがなかなかおいしい。コツはちょっと長めに湯がくことです。

アスパラのようと、まではいきませんが、ほのかな苦味がなんとも言えないオツな食べ物になります。

茎がついた葉っぱを同時に湯に入れると、葉っぱが先に茄で上がってしまい、茎はまだ硬いままということがあります。

十分に湯に通っていないと苦いものです。

葉っぱは新鮮なもので、五月までの新芽なら生でも食べられるほど柔らかいので、天ぷらなどがおすすめです。

衣は薄くしてください。

島に伝わる「明日葉伝説」

伝説というほどのことではありませんが、島には明日葉に伝わるいくつかの話があります。

そのいくつかを紹介しましょう。

・お乳の出が良くなる
・二日酔いに効く。酒を飲む前に明日葉を食べると悪酔いしない
・化膿止めに効く
・虫さされ、かぶれに効く
・疱瘡(ほうそう)にいい
・精力が抜群につく
・胃腸が丈夫になる
・ガンにならない
といったものです。

まだ他にもたくさんありますが、とても全部は紹介しきれません。

八丈島の資料展示館には「世界一の乳出を記録した牛」の写真が恭しく掲示されています。

当時の牛の食料はもちろん明日葉。

モリモリ食べて、たくさん牛乳を出していたんですね。

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